小野薬品のがん免疫薬オプジーボの薬価はほんとうに高すぎるのか?反応まとめ「製薬会社の開発意欲が削がれる」「国民の税金がむしりとられているだけ」

小野薬品の画期的がん免疫薬「オプジーボ」の薬価が高いことが国を亡ぼすと話題になっている。
医療保険制度を守るため、75歳以上の患者には使わせないなどの、過激な提案まで出ている。

まるで、小野薬品が暴利をむさぼっているようなイメージがあるが、
なぜ、そんなに高いことになったのかこれまでの開発経過、特許を含めてまとめてみた。

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小野薬品のがん免疫薬オプジーボの薬価はほんとうに高すぎるのか?反応まとめ

「オプジーボ」のメカニズムは以下と言われている。
がんは体内の免疫に攻撃されないように、免疫細胞の表面に顔を出しているPD-1というタンパク質に
しかるべきシグナルを送って免疫機能を抑制する特殊な能力を持っている。

がん免疫薬「オプジーボ」はこの抑制能力を解除する仕組みを通して、
覚醒した免疫細胞によってがん細胞を攻撃させるというものである。

オプジーボの開発経緯は以下である。

1992年 京都大学の本庶佑教授「免疫のブレーキ役」と言われるタンパク質「PD-1」を発見した。
小野薬品もこの分子に目をつけ、本庶佑教授と共同研究を開始した。
1999年 PD―1が免疫抑制に関わっている仕組みが分かり、創薬の研究開発が本格的に始まる。
2002年 本庶佑教授と小野薬品が抗PD-1による免疫治療の用途特許を仮出願(基本特許切れは、2030年といわれている)。
2005年 開発のため、抗体技術のある国内13社にあたったがすべて断られ、がん免疫に真剣に取り組んでいた米メダレックス社(後に世界初のがん免疫薬「ヤーボイ」を創製)と組む。
2006年 ヒト型PD-1抗体として、オプジーボが米国食品医薬品局(FDA)により研究用新薬として認可され、
同年から臨床試験が米国でスタートする。
2011年 メダレックス社がBMSに買収されて、小野薬品とBMSのチームを組み、開発加速する。
小野薬品の国内での、ヒトでの臨床試験では、がん免疫自体が信頼されていないメカニズムだったので、臨床の優先順位が最低であった。1例、2例と患者の登録が実現して、劇的に効くことが分かる。
2012年、最高峰の臨床医学雑誌「New England Journal of Medicine」誌に報告され、論説では、「過去30年
で試みられた多くのがん免疫療法で、最も高い奏効率」と評された。
小野薬品は非小細胞肺がん、腎細胞がんなどの患者を対象に安全性を調べるフェーズⅠ試験を行う。
メラノーマを対象にした第2段階のフェーズⅡ試験を行う。
2014年7月 オプジーボが、メラノーマを対象に世界に先駆けて日本で承認された。
2014年9月 米国でも承認される。
2014年9月 根治切除不能な悪性黒色腫(珍しい皮膚がん)対象で国内発売される。
2015年12月 非小細胞肺がんに適応が拡大される。
2016年8月 根治切除不能または転移性の腎細胞がんに対する追加適応が承認される。

オプジーボは月額290万円、標準体重の日本人男性が使うと年約3500万円かかると言われている。

「オプジーボ」の薬価が高くなった理由
新薬の薬価は、開発費が回収できるようにするため、適用される患者数を考慮して決められる。
1.メラノーマ(悪性黒色腫という珍しい皮膚がん)の薬として最初に承認されたため、
対象患者の予測はピーク時でも年470人とされた。
2.抗体薬のため、生きた細胞を使って遺伝子組み換え技術を用いて作るため工程が複雑で開発原価が高い。
3.世界に先駆け、日本で初めて承認されたため、他国での薬価を参考にできなかった。
現時点では、日本では100ミリグラム当たり約73万円であるのに対し、米国では約4割、英国では約2割の薬価となっている。
4.その後、患者数年約5万人といわれる非小細胞肺がんに適応が拡大されたが、
一度決められた薬価は、2年に1度が原則で次の薬価改定(2018年度)まで、変更できない制度となっている。

したがって、当初決められた薬価は、決して異常に高いわけではなく、
その後の状況が大きく変わったにもかかわらず、健康保険制度の硬直性のため、
現在の騒ぎになっていると考えられる。

注意しなければいけないのは、先に見たような開発者利益を守らないと、
どこも手間とリスクを背負って新薬を開発する医薬メーカーがなくなるという恐れがある。

最近、新薬開発は、従来のように比較的費用もかからず、開発期間も短かった時代と異なり、
ますます困難で、開発期間、リスク、費用が増加し、数が減っている。
武田薬品など日本の大手でも、新薬開発のためには、企業の規模が欧米に
比して小さいのでは、と言われるほどである。

また、最近、いままで稼いでいた既存の医薬の特許切れで、
業績が悪化している大手メーカーも出てる。

今回のオプジーボ開発のケースは、端緒が今年のノーベル生理・医学賞候補の一番手にも挙げられた
本庶佑教授の基礎研究から発しており、そこを中堅医薬メーカーである小野薬品が、
粘りに粘って開発したもので、日本として、誇るべきものである。

がん免疫自体が信頼されていないメカニズムだったため、
日本や世界の大手が注目せず、小野薬品が米国のBMSと共同で開発できたのである。
臨床試験でも画期的な効果が現れるまでは、医者にバカにされていたと
いうのであるから、担当者や企業の粘りがなければ、世の中に出ていなかった可能性もある。

本庶教授によれば、オプジーボには従来の抗がん剤と比べ、がん種を問わない、副作用が少ない、
末期でも効き始めたらずっと効き、再投与もできる、という大きな特徴があるということである。

従来の抗がん剤は特定のがん種の増殖にかかわる分子をピンポイントで狙う分子標的薬であったために、
特定のがん種しか効かなかったが、免疫チェックポイント阻害薬であるオプジーボは幅広いがんの治療薬となる。
今の抗がん剤は、やがてほとんど使われなくなり、すべて PD-1抗体で治療することになるだろうとも予測している。

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小野薬品のがん免疫薬オプジーボの薬価に関する日本の反応

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薬価を高くするため戦略的にメラノーマから適応取得したなど、それは、苦労して開発した中堅医薬メーカーには、
あまりに酷過ぎる見方に見えます。
十分でない開発費の中で、やっと画期的新薬を実用化したことは
もっと評価して良いのではと思います。

すでに、欧米の大手医薬メーカーは、ヒト型PD-1抗体の開発で、
小野薬品らのすぐ後ろに迫っているという。
日本政府は、薬価を下げることだけでなく、
もっと大事なやるべきことがあるのではないだろうか?

保健制度に負担をかけず、必要な患者が、使うことができ、かつ医薬メーカーが意欲を持って、
新薬開発に取り組める仕組みを作るのが、政府の役割ではないでしょうか。

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