「市場経済国」認定をめぐり中国が欧米をWTO提訴!今後の行方は?反応まとめ

WTO加盟から15年の12月11日付で市場経済国に認定される取り決めだと主張してきた中国が、
認定を見送った欧米をWTOに提訴した。

中国経済の現状が、公正で自由な経済活動が確保されている
市場経済国にはみなされないとして、認定しない方針を示した
日本に対しても近く提訴に踏み切るとみられる。
反応をまとめた。

「市場経済国」認定をめぐり中国が欧米をWTO提訴!今後の行方は?反応まとめ

中国は2001年にWTOに加盟する際、当初15年間は非市場経済国として扱われることに同意した。
中国自身は15年後に自動的に市場経済国へ移行すると主張しているが、
WTO加盟国がそれぞれの判断を下すことになっている。

ロシア、ブラジル、ニュージーランド、スイス、オーストラリアなど81国が
中国の市場経済国家の地位を認めているが、
米、EU、日本、カナダなどの多くの国々や地域は未だに承認していない。

中国は、市場経済国認定によって自国産品への反ダンピング(不当廉売)措置を
発動しにくくする狙いがあるが、認められなければ、
中国の輸出品は反ダンピング関税の扱いで引き続き不利になる。

欧米が、承認しないとした一番大きな原因は、中国鉄鋼の過剰生産問題のためである。
OECDによれば、2015年の鉄鋼の過剰生産のうち中国産が半分以上を占めており、
これが鉄鋼の世界的な安値をもたらしている。

中国では、製品を生産、販売する際に政府が補助金で国内企業を支援するなど、
市場価格をゆがめる行為が目立っている。これらの製品が大量に安い価格で輸出され、
世界で価格下落を起こしている。

たとえば、米国は、今年5月に,中国のほか,インドなど5カ国・地域から輸入される
腐食に強い耐食鋼がダンピングされているとして,アンチダンピング)税を課すことを決定したが、
中国の関税率は209%と最も重く,他の4か国・地域は3~92%程度と、
中国をターゲットとしているのは明らかである。日中の冷延鋼板に対しても,
日本に71%,中国に265%のAD税が課せられる。

中国の市場経済国認定すると、対象製品の基準価格の変更に伴い、
これだけのアンチダンピング税を課すことは難しくなるというわけだ。

中国の粗鋼生産量は、2015年は約8億トンで、生産能力は12億トン規模で、
4億トン規模の過剰生産能力を持つとされる。これが安価で輸出され、
国際価格を大きく低迷させ、全世界の鉄鋼各社が業績不振にあえいでいる。

中国政府は2020年までに1億~1億5千万トンの鉄鋼生産能力削減を計画し、
今年は4500万トンの削減を目指すとしたが、1~6月で、3割程度しか削減できていない。
各国は中国の鉄鋼生産能力削減努力に不信を持っている。

中国が欧米をWTO提訴への日本の反応と中国の反応を比べて見ましょう。

欧米をWTO提訴に関する中国の反応

中国の主張(人民日報日本語版2016/12/12参照)

WTO加盟15年で、中国は世界第2位の経済大国へ、製品輸出総額は2015年には世界首位、
世界全体の13.8%を占めるまでに増加した。この間、世界は、相互包含的な運命共同体世界経済成長へと転換した。
中国は世界第一の製品生産国、第一の消費市場国、第一の外資導入国、
第2の対外投資国であって、中国はその貢献率と最大の貿易額によって、
相互包含的な運命共同体世界経済成長、争う余地のない第一の原動力となっている。中国は過去15年間にWTO加盟時のほぼ全ての約束を果たしたのに、
中国の市場経済地位認定を拒否する加盟国が依然ある。保護貿易主義、小さな貿易グループの構築、多角的貿易体制の阻止といった
歴史の流れに逆らう行為は、最終的には世界市場の奔流に溺れることになる。

個別問題には触れず、世界経済全体での、中国の寄与の大きさを強調し、
「市場経済国」と認定しないことで、自国民に不利益をもたらすばかりか、
相互包含的な運命共同体世界経済成長の障害となると主張している。

中国が欧米をWTO提訴に関する日本の反応

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2001年にWTOに加盟した際、当初15年間は「非市場経済国」として扱われることを受け入れ、
その規定条項が12月11日に失効する。
中国はこれまで、15年間での世界経済への中国の寄与と現在の役割を強調しつつ、
この条項が失効した後は自動的に市場経済国に移行すると主張する。

すなわち規定条項の法律的解釈で争いたいだろうが、
欧米そして日本としては、提訴を逆手にとって、中国がこの15年間で、
「市場経済国」となる努力をしたか、現実はどうなのかたとえば、
鉄鋼の過剰生産能力問題に争いの焦点を持って行けば、
中国に削減努力を促す適切な場になるのではと思われる。

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